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2021.3.3

はたらく。を学ぶスクール最終回:「上野千鶴子先生といっしょに、はたらく。を考える」オンライン公開講座開催レポート【vol.1】

4回にわたって開催してきた『はたらく。を学ぶスクール』。

最終回の集大成イベントは、日本を代表する社会学者・上野千鶴子先生をトークゲストにお招きし、Zoomにてオンラインで開催いたしました。

 

 

上野先生は、東京大学の名誉教授であり認定NPO法人「ウィメンズアクションネットワーク」の理事長。女性学、ジェンダー研究の第一人者でもあり、あえてここで紹介する必要もないほど、とっても著名な先生。

まさかゲスト出演のOKをくださるなんて…!と、驚き&ワクワクしながら、約150人の参加者の皆さんと一緒に会を進めていきました。

 

 

まずは先生が資料を使って、コロナ禍によって起きた日本の惨状を説明。打撃を受けた非正規雇用、シングルマザーの窮状についてなどなど…。冒頭、「明るいお話ができないかもしれない」とおっしゃった通り、そこに映し出されたのは、目を覆いたくなるような現実でした。

先生いわく「コロナ禍という非常時において、すでに存在していた矛盾や問題が増幅してあらわれている」とのこと。

ちなみにこういった状況の背景には、世界的に見てもわかる日本女性の地位の低さあるのだそうです。

 

次に、男女平等と労働の法律がどのように改正されてきたか、年表で振り返りながらレクチャー。男女平等に関するものは随分整えられた印象でしたが、一方で労働の法律に関しては、非正規雇用を多く生み出した原因になったものもあります。(その結果、ロスジェネ世代が生まれました)それ以降、非正規雇用は増え続け、現在は非正規雇用が全体の4割ほど、さらにそのうちの7割ほどが女性なのだそうです。

 

非正規雇用に関しては、「官製ワーキングプア」についても警鐘を鳴らしてくださった上野先生。一度は耳にしたことのあるこの言葉、公務員などの官に属する職業で、非正規雇用で労働に従事する人たちを指します。

さまざまなスキルが必要になる公的機関で、ある程度知識や経験を身につけた職員さんが短期間でしか働けないのはあまりに残念…。

 

その後お話は、長らく続いてきた日本型雇用(終身雇用、年功序列給与体系、企業内組合)のことへ。先生はこの日本型雇用に問題があるとおっしゃっていて、「ずっと会社にいる人だけが得をするシステム」だと教えてくださいました。

夫は仕事、妻は家事育児、なんとなーく刷り込まれてきたこの価値観、実は女性が労働力(とくに正規の)として社会参加しにくい構造が過去に作られていたからなんですね。

この価値観が前提にあることで、男女ともに結婚から足が遠のくのは自明の理。

(男性は、俺がずっと大黒柱なの?ってなるし、女性は、家事育児私が一手に引き受けるの?しかも最近はだんなさん一人の稼ぎじゃ厳しいし働かないといけない?ってなるし)

歴史や制度を振り返る中で、「女性が働かなくてすむ社会=女性の労働を排除する社会」がどう醸成されてきたかが見えてきて、そこには本当に、いろんな問題点がボロボロ…。

しかし、そんな社会を良くする“処方箋”があると、上野先生。

 

まずは先生が「問題点がある」と指摘していた日本型雇用についてですが、今後は、

・新卒一括採用、終身雇用、年功序列制度の廃止

・男女共の定時退社

・同一労働同一賃金の原則

・転勤は昇進の必須条件ではない

などを取り入れてはどうか?ということでした。

定時退社は子どものお迎え等がある子育て世代にとってありがたいですし(というか必須ですよね)、同一労働同一賃金であれば、「今は●時間だけの勤務にしてほしい」というようなことも選択できますしね。

 

そして、女性の(再)就労支援としては、

・スキルを身につけること(とくにITスキルは必須)

・情報を得ること

・労働法を知ること(自分の権利を守るため)

さらに、

・何よりも大事なのは自分の自信を取り戻すこと!

を、挙げてくださいました。

 

また、働く定義・意義として、「働くことは生きることの基本」であり「“自分のおカネ”は自由の条件」とも。そのほかに働いて得られるものとしては、社会とのつながりや自分への自信、仲間との絆など… 

こうして挙げてみると、働く意味がより一層際立ってきますね^^

 

とはいえ、「正規の職に就くのは難しいかも…」「私に稼ぐスキルがあるのかしら…」という声もチラホラ。そんな悩みに、先生が教えてくださったのが、“Go Back to the 百姓ライフ”という考え方。「百姓」と書いて「ひゃくせい」と読みます。

「百姓」が意味するところは農耕民ではなく、「環境と状況に応じて、農業から現金収入まで多角的な経営を実践する自営業者」のこと。

昔の人は繁忙期は農業で収入を得て、それ以外の時期は加工品を作って売ったり、別の仕事をしたりして、一年を通じて複数の稼ぎ口を持っていましたよね?

あれと一緒で、「マルチインカム・マルチチャンネルで生きること」の重要性を説いてくださいました。

 

しかもこの「マルチインカム・マルチチャンネルで生きる」大切さ、女性だけではなくて男性にも当てはまるんじゃないかなぁと思ったりして。

終身雇用という働き方がすでに時代遅れになりつつある今、自分のスキルさえあれば、しかもそれが複数あれば、会社ではなく“自分自身がもっとも頼れる存在”になりますもん!

 

さてさて、レポートが長くなってしまい申し訳ないのですが、vol.2は公開講座第二部についてお届け。

上野先生と、中国新聞で労働をテーマに取材執筆を手がけている栾暁雨(らん・しゅうう)記者が、参加者の皆さんから寄せられた質問に答えるかたちで交流会を行います。

 

 

▽【Vol.2】へ続きます!

はたらく。を学ぶスクール最終回:「上野千鶴子先生といっしょに、はたらく。を考える」オンライン公開講座開催レポート【vol.2】

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