さとうみどりのイラストレーター物語

VOL.13・・・2003.10.15


会社を始めたことで、自分の目標であるイラストレーターの夢が遠のくのではないんだろうか・・・
“こんなはずじゃなかった”会社経営の困難さが不安な気持ちに拍車をかけた。

それなら早いとこやめればよかったんだけど私はやめなかった。なぜって、その理由はメンバーを募ってしまったから。色んなメンバーに出会ってしまったからだ。
「入ってくれてありがとう。いつか必ず皆さんのしたい仕事を取ってくるようにします」と毎日毎日人に会い、営業が不得手だから、せめてメンバーと会話しようと電話をし、自社初の講座を作り、自らも参加をし・・・色んな方々と交流することを率先してやってしまったから。私の人脈は、ほとんど会員さんになってもらっていた。もう裏切ることはできないわ。
今、一人になってイラストレーターを目指しても、これは後悔するに違いないと思った。じゃ、やっぱり会社を続けるしかない。やるしかない。

会社を続けていくこととイラストレーターになることとが、なかなかリンクせず私は数年悩んでいる。
いつも絵がかけない、絵を描く時間がないと会社のせいにして悩んでばかりいた。しかし面白いことに“いつでも描ける”という状況のときより、描く時間が少ないから空いてれば描くようにしていたこの頃のほうがコンペの結果が良かったのだ。
玄光社のイラストレーション誌のイラストレーターの登竜門といわれているコンペ「ザ・チョイス」に予選通過、準入選と出し続けていくうちにランクが上がっていったのもこの時期だった。。そのほか大阪のコンペも同時期に入選。平日の夜、日曜日、子どもや家事に左右されない時間のすべてを、今思えば絵を描くことに当てていた。無我夢中だったみたい。。

“会社が忙しい時期だから”は、自分を甘やかすための自分へのいいわけ。イラストレーターになりたいのであれば、いつでもどこでも空いた時間に描けばいいのだ。忙しい、忙しいって24時間全部会社のことしてる?いえいえ、そんなことはなかった。ご飯も食べるし、ちゃんと眠ってた。たしかに専業主婦時代、パート時代に比べれば、絵を描くために使える時間は少なくなっていたのかもしれない。
だけど時間の使い方は自分次第。世界中の人に24時間という一日の時間は平等に与えられている。自分のコントロールは自分次第ということなのだ。人間だれしも、いつでもやれる余裕があるときは「明日、やればいいか」と時間を無駄使いしてるようだ。
で、えらそうなこと言って、そのとおり行動してればもっとイラストレーターとして認めてもらえる位置に近づいていったのかもしれない。が・・・そうそう自分もそんなに継続していける強さが、十分に発揮できる人間ではないようだった。
ま、ぼちぼちやりましょうと根っからのO型気質がバランスよく出てくるようだ。


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