さとうみどりのイラストレーター物語

VOL.14・・・2004.01.28


設立2〜3年目、当時の会社は「怖いもの知らず」の経営方針で、無謀ともとれる計画で突き進んでいた。
やりたい事を形にしたい一心だけで前知識もないまま、お金もないままで始めたことが一番苦しかったのだろう。
今でこそ「夢を形にするためには事業計画をちゃんと立てること」なんて言ってる自分がいるけれど、昔の私は数字を組み立てることがからっきしダメだった。
「イラストレーターが数字に強いなんて感性失っちゃうよ」なんて言ってくれる回りの言葉をいいことに、逆に数字なんてわからなくていいんだとまで開き直ってる自分がいたりもした。
イラストレーターだって数字に強くなければどうにもならない。だってお金を稼ぐために仕事をして生きてるんだものね。 そんな私が数字を意識するようになったのは「コドモ古着百貨リシュラ」を開店させてから。
“いつかはお店を開きたい”という思いが叶って、子供服のお店を開くことになったのは1993年のこと。
こういう時は経営者になってよかったと思える。だってやりたいことが形になるんだもの。
チラシの原案・ロゴ・キャラクター・値札に至るまで楽しいことこの上ない仕事が、私のイラストを基本に展開される。イラストレーターとしてだけならばその「絵」の部分にだけ関わっていればいい。
しかし私は経営者、仕入れはもちろん、商品の回し方、人のシフト作り、販売促進の手法、すべての売上げに関わるしくみを考えなくてはいけないのだ。これは勉強になった。だってゼロから作り上げるんですもの、いったい何から手をつけていいのかわからない状態からです。子供服のお店を開店させるために誘った現在の店長(今度、株式会社リシュラの社長になります)の浜口とふたりで書き出しをはじめた。
ふたりが意気投合したのは「他では見たことないおしゃれな子供服の古着屋とわかるものを作りたい」
単純それだけ!話題づくりのために“子供服古着、買取ります”チラシというものを作って、まず「へえ!子供服の古着屋ができるんだ!」と思わせ、OPENチラシに連動です。「あ、あのときのチラシ!」と思ってもらえるはず!
マーケティングなんて言葉の意味も知らず、自分がお客様だったらこんなお店に行きたくなるな!を常に考えながら、ひとつづつリシュラの形が出来上がっていきました。
他のチラシより目立ちたい!私たちの思いは結果となって帰ってきました。チラシを10,000枚打てば、確実に200人近いお客様が訪れて100人が買ってくださる。気になるから必ずレジでこう聞く。「何でこの店をお知りになったんですか?」体感して初めて知る数字を読むということ。ほら難しくないですね。


さとうみどりのイラストレーター物語・・・VOL.13
さとうみどりのイラストレーター物語
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株式会社ハー・ストーリィ
イラストレーター・さとうみどり

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