前回は話が完全にそれてまた振り出しに戻ってしまってました・・・。 すみません、反省です。
さてさて「主婦集めて何が出来るの?まーがんばって!」の初営業から、私の人脈ではなかなかクライアントになりえる人にたどり着きません。身内ですら「離婚後子どもも育てるという大きな役目があるのに、会社なんかはじめて失敗したらどうなるのか」と不安材料ばかり並べ立てる始末で、そのぐらいの判断基準の自分の力のなさを思い知らされた。
日野と一緒に前職のクライアントに営業にでた。一月前まではきちんとお相手頂き、信頼頂いていたはずだった。やめるととたんに手のひらを返されたご意見が。”なんの実績もない女二人の会社に仕事を任せられるほど世の中甘くないぞ“と叱責され落ち込む。日野もいろんな人に色々言われ主婦を集めて仕事に生かすということ、そしてその主婦の典型でもある私とのスタートを切ったことを迷ってるようだった。 |
こうなれば新しいクライアントを探すしかない!
私で出来ること“イラストを描くこと”郵送では反応もないので作品を持って会いに行こう!私なりの営業もしてみようと代理店めぐりもはじめた。営業の帰り道のことだった。
偶然にも知人のテレビ局ディレクターに出会った。舞台美術の会社に勤めていたとき彼の大きな夢も聞いていた。一緒にいろんなことを語り合っていた。彼ならわかってくれるかも・・・かばんの中に潜ませてる会社案内をおもむろに出し、私の思い会社でやりたいことを一気にしゃべり続けた。
「おもしろいじゃない!今度必ず取材に行くよ。今、番組を任されてるんだ。絶対取材に行くから他の局じゃなくて僕に一番に取材させてくれよ!」とまで言ってくれた。
「今日はいい日だ!」たった数分間の立ち話だけで、この日一日とても充実感に満たされた。たった数分間だったけどちゃんと聞いてくれる人が現れたのだ。興奮冷めやらぬ私は、お城である事務所に有頂天で戻り日野に報告した。この先どうなるかなんてわからないが、とにかく歩き続けることをしてみようと思った。 |
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イラストの仕事も営業に行けば少しずつではあるが入ってきた。少しずつ入るイラストに限って納期が一緒の時期“カレンダーの絵6点民芸品のテーマで一週間以内に”“会社案内に載せるカット30点明日まで”などなど、できることはとにかくなんでも受けた。苦手なものだろうがなんだろうが受けた。受けたら納品しなくてはいけないのだ。技術が未熟なために民芸調の絵なんてかけるはずもなく・・資料となる写真を探し、雑誌を買い込み、一枚の絵を描くのに5枚くらい描きなおし、夜が明ける。明け方近くなると自分の力のなさに涙が出てくる。納品しなくてはいけないから自分を納得させ納品する。
日中は登録会員の名簿や訪れる会員と会う。肝心のイラストは、お城であるはずの事務所では絵の具を広げるスペースがないので制作は家に帰ってから。家事、仕事、子育てと24時間フル活動の日々の繰り返しだった。大きな声ではいえないがもちろん無給だ。 |