 |
 |

イラストが描きたい私がちゃんと会社を経営していけるのかまるで疑問だらけだけど始まったのだ。
名刺・はがき・会社案内を資本金の少ない現金のなかから一通り制作した。
本当に会社が始まってしまったという感じだ。
「知り合いにはがきを出して、会社案内も配ろう!まずは以前勤めていた会社のクライアントのところに出かけましょ」日野は持っていた名刺ホルダーをぱらぱらめくりながら営業の候補先を次々と決めていく。タウン誌の編集長をしていたこともあってかなりの営業先候補を挙げた。
一言メッセージを添え封筒に表書きをしていく。名刺も持ったことのない私と来たら前職の経験はひとつも生かせるはずもなく何の助けにもならなかった。それどころか今回の会社設立で名刺を持てた喜びのほうが大きかった。 |
 |