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2021就職氷河期世代活躍支援プロジェクト

クライアント/広島労働局

2022.3.10

オンラインセミナー「働きづらさ、生きづらさ、今ここからを語らう」開催報告レポートvol.2

 

密成さんのありがたいお話をたっぷりと聞かせていただいた第一部。

第二部は密成さんに加え、佐野真子さん(キャリアコンサルティング総研株式会社 代表取締役社長)と後藤峻さん(コワーキングシェアオフィス「ONOMICHI SHARE」コンシェルジュ)をゲストにお招きし、Q&A形式のトークを行いました。

 

題して、【壁なしトリオ脱力談義「働きづらさ、生きづらさの限界突破を語らう」】。

事前に参加者の皆さんから寄せられたお悩みにそれぞれが回答するかたちで、会を進めていきました。

►それぞれの限界突破

まずはじめに、それぞれの「限界突破」というワードについてのトーク。

シェアオフィスのコンシェルジュであり事業責任者を務めている後藤さんは、新型コロナウイルスが蔓延する少し前に、仕事の進め方で会社と考えが合わず「自分はそれならやりません」と社長さん直接思いを吐き出したことあったのだそう。その後、コロナの影響でそれまで準備してきたイベントが中止に。一方で仕事に対してまだやりきれていない想いも持つなかで、自分が今やれることを、自分らしく事業としても両立できる形を考えたなかで、遊び心を加えた新コンテンツが立ち上がり、今ではそれが大きく成長しているのだそう。「あの時遠慮せずぶつけられたことが、僕の“限界突破”の瞬間だったかもしれません」と、笑って話してくださいました。

 

また、キャリアコンサルタントして活躍する佐野さんにもかつてサラリーマン時代があり、体調を崩してリタイアした過去が。「壊れる前にどうにかできなかったものか」と思ったこともあったそうですが、その経験が今の仕事に生かされているので、「“限界突破”はできなかったけれど、脱線したからこそ見えた道があります」と教えてくださいました。

 

さらに密成さんは「ここでいう“限界突破”は自身を成長させる意味合いの言葉として用いられているのでしょうが、限界突破しないほうがいい場合も往々にあります。自分の限界を知ることが大切なのでは」と、助言をくださいました。

 

そんな“限界突破”に対するおのおのの思いを聞かせていただき、最初に寄せられた「自分に合う仕事がわからない」というお悩みへ。

 

►自分に合う仕事をみつける

普段からキャリアコンサルタントとして仕事の悩みに対峙している佐野さんは、「仕事内容かと思ってよく聴いてみると、本当は人間関係だったり環境だったり仕事内容以外のお悩みが隠れていることも多いもの。適職を知りたいのであれば適性テストを試すこともできますが、まずはご自身が本当は何を求めているのか、キャリア相談では一緒にお一人ずつの物語を紐解いて深掘りしていくことが鍵になります。」と回答。

密成さんは、「やってみないとわからないことも多いもの。自分に何が向いているかわからなくなった時は、一度自分の根っこを振り返ってみるのもいいかも。(密成さんは小学校の卒業文集に将来の夢として“お坊さんになって本を出す”と書いていたそう…!)昔を思い出す作業が難しい場合は、日記をつけてみるのもありですよ」と、教えてくださいました。

これを受けた後藤さんからは「書き出す作業は結構大事。自分が何を考え、どんなことを大切にしているか可視化できます」とアドバイス。すぐに実践できそうなアイデアをいただきました。

 

►より良い人間関係を築くためには

二つ目のお悩みは、「新しく入ってきた人と良い人間関係を築きたい」というもの。

このお悩みに後藤さんは、「相手との共通点を見つけると話がはずみます。関西弁を話す人なら、“関西のご出身なんですか?実は僕もなんですよ”というふうに。そこから会話がひろがっていきますよ」と助言。

また佐野さんは、「まずは距離感のはかり方。もっと相手と距離をつめたいのか?それとも、自分の時間を持ちたいタイプなのか? コロナ禍にあってオンラインがニューノーマルになり、昔のような“飲みニュケーション”といったベッタリ型のコミュニケーションは減少しつつあります。どちらがいいということではなく、自分や相手はどういうコミュニケーションを取っていきたいのか?そこを見極めて選択していけばいいと思いますよ」と、教えてくださいました。

さらに密成さんは、「そもそも全員と仲良くなる、全員を好きになるというのは無理な話。合う合わないは必ずあります。自分を殺さず、変に合わせ過ぎないことも必要なのでは」と、話してくださいました。

 

►体の声に耳を澄ます、寄り添う

最後となる三つ目のお悩みは、「働きづらさ(生きづらさ)を抱えている人に寄り添う方法が知りたい」というもの。

これに対し佐野さんは、「対人支援のノウハウはいっぱいあります。働きづらさ(生きづらさ)がどれほどのものなのか知るために、注目すべきは“体の声”。体は案外正直で、心の負担はまず体にあらわれます。体を壊してまですることなんてひとつもないと思うので、体の声にはしっかりと耳を傾けてあげてください」と回答。

密成さんもこの答えに納得するものがあったようで、「僕自身も道に迷った時、ご飯が飲み込みにくくなるという不調があらわれたことがあります。体のサインは決して無視してはいけないと思う。そして、働きづらさ(生きづらさ)を抱えている人が、自分にとってどういう立場の人なのか。知り合いや少し距離がある人なら、「良い病院があるよ、相談窓口があるよ」というテクニカルなアドバイスに徹したらいいと思うし、家族や友人など近しい人なら“どんな時でも一緒にいるからね”っていうことを伝えてあげたらいいんじゃないでしょうか」と、話してくださいました。

 

最後に後藤さんは、「相手が働きづらさ(生きづらさ)を言語化できる場合は、とにかく肯定して、最後まで話を聞いてあげる。周りからどう見えたとしても、その人が「しんどい」と言っている以上、それはしんどいことに違いないのですから」と、しっかり答えてくださいました。

►壁なし脱力トリオより一言

最後に皆さんから一言ずつ…

佐野:「生きることに必ず価値はあります。生きづらさを抱えているなら、助けを求めてください。手を差し伸べてくれる人、場所は絶対にあります」

密成:「生きる上で苦しい部分というのは、皆にあります。けれど、そこがスタートです。小さくてもいいから、楽しいことや嬉しいことを少しずつ積み重ねていきましょう」

後藤:「自分自身の言葉を大切にしてください。しんどいならしんどい、苦しいなら苦しいと。言葉にして肯定した時にはじめて自分の中に落ちたり、それを受け止めてくれる人があらわれますよ」

働きづらさ、生きづらさを抱える人たちへ、破天荒かつ自分らしく生きる三人の賢者から、このうえなく温かく、力強いエールをいただきました。

 

セミナーの終わりには、広島労働局から求職者支援訓練(ハロートレーニング)についてなどの具体的な情報や相談窓口を案内。ご挨拶をいただいて、会は無事に終了しました。

►まとめ

新型コロナウイルス蔓延下ということもあり、セミナー、ワークショップ、合同企業説明会など、急遽オンラインでの変更や中止を余儀なくされたこともあった就職氷河期世代活躍支援プロジェクトですが、今回のオンラインセミナーにて、すべてのプログラムを終了いたしました。

ご参加くださった皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました!

誰もが予測しえなかったウイルス蔓延という事態で、混乱や不安の多い世の中ですが、いつの時代も味方になってくれる人や場は必ずあるもの。

今回のプロジェクトが、そういった“助けの場”のひとつとなっていますよう、心から願っています。

 

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