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2021就職氷河期世代活躍支援プロジェクト

クライアント/広島労働局

2022.3.8

オンラインセミナー「働きづらさ、生きづらさ、今ここからを語らう」開催報告レポートvol.1

「ミライへのミチスジを描く」と題した、広島労働局による就職氷河期世代活躍支援プロジェクト。

セミナーやワークショップ、オンラインの合同企業説明会など、

これまでも数々のイベントを開催してきました。

 

今回はその集大成として、オンライントークイベント「働きづらさ、生きづらさ、今ここからを語らう」を2月19日(土)に開催。約100名の皆さんが参加してくれました。

 

メインゲストとしてお迎えしたのは、愛媛県「栄福寺」のご住職・白川密成さん。

住職になられる前は、就職氷河期世代ど真ん中で就活も体験されているという密成さん。

住職になったのち、「若いお坊さんだからこそできることがある」と、

「ほぼ日刊イトイ新聞」のサイトでコラムを連載したり、著書を発行したりと、“お坊さん”の枠をとっぱっらた働き方を実践されています。

 

 

第一部は【「坊さん、ぼーっとする。」流で今ここからを語る】とし密成さんのトークを、

 

第二部は【壁なしトリオのお悩み相談コーナー】とし、密成さんに加え、キャリアコンサルティング総研株式会社 代表取締役社長・佐野真子さんと、コワーキングシェアオフィス「ONOMICHI SHARE」のコンシェルジュ・後藤峻さんをお招きしてQ&A形式のクロストークを行いました。

►「楽=リラックス」する

 

まずは密成さんよりご挨拶をいただき、第一部がオープン。今回のトークは「楽」をテーマに展開していきたいとお話がありました。「楽」という言葉を聞くと、「楽しちゃだめだ」とか「あの人は楽ばかりして…」とか、ついネガティブに捉えてしまいがちな私たち日本人。

 

 

けれどもそうではなく「楽=リラックス」の意味があるように、もう少し肩の力を抜いて、楽に楽しく生きられる方法があるんじゃないかと呼びかけてくださいました。

 

ある大変有名な老師が「坐禅の真髄とはなんですか」という質問を受けた際、

「コセコセせずに、一服せよ」と答えたエピソードがあるとか。

「ちょっとしたブレイクを自分で設定して生きるってことが大事なんじゃないかな」と教えてくれました。

 

►自利と利他

 

また、弘法大使 空海が残した

「それ釈教は浩汗(こうかん)にして際なく、涯なし。一言にしてこれを弊(つく)せば、ただ二利のみ」という言葉があり、これは現代語訳すると

「およそ釈尊の教えは途方もなく浩(ひろ)く、限りなくはてしないものです。一言でつくせば、自利・利他の二つの利益にあります」という意味になり、

この「自利と利他=自分を生かし、他者を生かし、どちらもを大事にする生き方が大切」と説いてくださいました。

 

►自分なりの「お坊さん」

 

密成さんご自身は、先代住職の跡を継いだ際、“お坊さん”という職についてずいぶんと試行錯誤されたそうです。年齢とキャリアを重ねたような、「ただそこにいるだけでありがたい」お坊さんにはなれない、ではどうしたら、自分が発信する言葉に耳を傾けてもらえるか?仏教というものをもっと身近に感じてもらえるか?を考え、「ほぼ日刊イトイ新聞」でコラムを掲載(これは密成さん自身が、ここで書かせてくださいと自分からアプローチしたのだそう!連載は230回にもおよびました)、その後、この連載が本や映画になって話題を呼び、学校の人権・同和教育の講師に呼ばれたり、お寺内でいろいろなイベントを開催したりと、ますます活躍の場が広がったそうです。

このことから、

    •  
    • ・自分だからできないこともある。自分だからできることもある
    • ・人が注目しない仕事にこそ、やるべきことが残っている
    • ・自分から「やりたい」と言ってみる
    • ・かけ合わせてみる(仏教×お坊さん×ネット×デザイン×面白い)

 

というようなことを、自然に心に留めてきたとおっしゃっていました。

 

►心に留めておきたい、仏教の言葉

 

その後も、

「近くして見難きは我が心」(弘法大使 空海『秘蔵宝輪』

「ただ非難されるだけの人、また、ただ褒められるだけの人は、過去にもいなかったし、未来にもいないであろう 現在にもいない」(『ダンマパダ』228)

といった、いくつかの心に響く仏教の言葉を教えてくれたり、

密教の五智(5つの知恵)の中から、

「平等性智(びょうどうしょうち)」(出会う人や物事に対して“同じところ”“似ているところ”を見つける)

「妙観察知(みょうかんざっち)」(すべてに対して“違うところ”を見つける)

という教えを授けてくださいました。

 

さらにお布施のひとつである

「灌頂施(かんじょうせ)」

(仏教的な意味もあるが、身近な言葉で言うとしたら「本人が気づいていない良いところを教えてあげること」)や、

フィンランド発祥の統合失調症に対する心理療法「オープンダイアローグ」についても話してくださり、内容盛りだくさん…!!

最後に皆で呼吸と瞑想のワークを行い、第一部は終了しました。

 

►密成さんまとめ

 

密成さんはまとめとして、

・何もしない時間を大切にしよう

・体を動かし、足を運ぼう

・人と話そう、ヘルプをお願いしよう

・自分の声、他者の声をよく聞こう

・これらを継続しよう

とお話しくださり、とっても心に刺さる内容となったのでした。

 

仏教に絡めたお話はちょっと難しいのかな?と思っていましたが、ものすごくわかりやすく、「人間の悩みって、何千年も前から大して変わってないんだな」と感じたりもしました。(そう思うと、けっこう気が楽になりますよね^^)

仏の教えには、どう“楽”に生きられるかのヒントがたくさん…!

ありがたいお話をたっぷりと聞かせていただき、セミナーは第二部へと続きます。

 

 

 

 

 

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